2008年3月4日火曜日

カードローン 延滞

小説 消費者金融―クレジット社会の罠

クレジット会社には流通系・銀行系・信販系などがあるのはご存知と思う。カードを作るときは電話番号や職歴などから与信審査されるのももはや常識である。カードには二つの機能がある。金銭消費貸借(キャッシング)と割賦販売(ローン)である。ほとんどの人が20万から30万ぐらいの与信枠からカードを使い始める。では、支払いが滞ったら、それらの債権はいかに回収するのだろうか?延滞が何回も繰り返されると、カード会社からの督促は段階をへてきつくなる。テレホンアポインターからの電話ではなく延滞債権回収セクションからの督促がされるはずである。さらに、それでも回収できない場合はどうなるのか?カード会社はその債権をまとめて別の会社に3割〜6割引きで債権譲渡してしまう。だがこれでは、893関係が取り立てたり、懲戒処分を受けた弁護士などが関与することになり、そのうち破産者だらけの不良債務者ばかりの社会になってしまう。そこで考え出されたのが債権管理組合という方式である。これをクレジット破産の多いアメリカでみてきて日本に導入したのが、この小説の主人公のモデルとなった玉木氏である。自分の会社の債権なのに従業員が回収するとなると壁となる弁護士法。回収担当者を支配人登記する方法をとる信販会社もあるが、実際はかなり遠回りな方法である。この作品はクレジット会社の内実を実にリアルに伝えている。自己破産を奨励する一部の人たちのやり方には疑問を感じる。

普通の現代小説です。サブタイトルに「クレジット社会の罠」とあったのでハードな内容を想像していたのですが、それほどでもなく仕事の内容としては充実している主人公の話だけで終わってしまいました。クレジットの賢い使い方や注意などは特に含まれていませんでした。

題名を見ただけでストーリーが勝手に脳裏をよぎり、読まなくても分かったつもりになってしまい、結局は後回しに、若しくは読まないで終わり得るのが本書ではないでしょうか。ストーリーは高度経済成長期のサラ金の過酷な取り立てから始まりますが、サラ金・消費者金融経営者である玉崎英太郎の波瀾万丈の人生を軸に、米国の消費者金融システムの発展、日本におけるクレジット債権共同管理組合の意義等、消費者金融の構造について分かりやすく描写されています。実在の玉木英治さんがモデルだそうでして、一読をお薦めします。

一般に小説においては、往々にして金貸しは悪人である。古典的にはヴェニスの商人のシャイロックに由来し、昨今の金融漫画でも金貸しは血も涙もない金の亡者として描かれる。本書では、こうした金貸しイメージとは異なった良心的な金貸しが主人公となる。物語中でも、主人公を取り巻く環境は厳しい。行政指導、弁護士法、そして家庭の危機に主人公は直面する。こうした危機に真正面から取り組む様がスリリングに展開する。また、本書を読むことで弁護士法72・73条および、現実的な取り立てについての知識が得られる。

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