2008年3月1日土曜日

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本の虫

2001年暮れに倒産し、業界内外に大きな衝撃を与えた「鈴木書店」。鈴木書店で倒産まで勤務し続け、30年間「日刊まるすニュース」という本の情報誌を発行し続けた著者が、思い入れと歴史を語っています。人文科学、社会科学を中心に扱う取次ぎだっただけに、硬派な本や、図版系、美術系の本が多く、また、社会の出来事を解説、解明した本が多いため、本の出版情報を見ているだけで、当時の社会情勢のみならず、景気や風俗も読み解くことが出来ます。また、長年書店に勤務し続けた作者の「見る目の確かさ」などが、実感できるのも魅力かも。コレは、社会風俗の素晴らしい資料足りえるのでは?抜粋ではなく、全てを収録すべきだと思います。

 以前にも著者のエッセイは読んだことがありますが、書籍取次の鈴木書店に勤務し、業界のことだけではなく、出版評論などは読書好きにとっては非常に参考となるものが多かったですが、本書ではその鈴木書店の倒産について、最新ベストセラーの方程式、そして業界紙として書き続けた「まるすニュース」の30年視と読みごたえある内容でした。中でも本書の半分以上を占める「まるすニュース」30年視は内容がぎっしり詰まっているのは勿論のこと、それぞれの年代の本についてが細かく書かれているため、当時読んだ本を思い出したりと非常に懐かしく思いました。

 日刊で「ニュース」を出すというのは大変です。抜粋ですが鈴木書店の窓とも言える日刊誌だったんだと思いました。昔のベストセラーから話題本、一般にはよく知られてはいないきらりと光る本など盛りだくさんの中身で読みがいがあります。実際豆みたいな字で記されているページをあるし。 ベストセラーの方程式 は本をだすわけでもなく売る立場にもないのであまり惹かれるところはありませんでした。私は選ぶ側の一人としては買うための公式はないので。 しかし鈴木書店最終章は読ませました。生協で注文すると短冊に「鈴木書店」とあって個人名みたい、と印象に残っていました。本がとても好きな方には興味深い本です。

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