2008年2月19日火曜日

総務 省

公会計の理論―税をコントロールする公会計

総務省方式の公会計は企業会計の言語に無理やり公会計を押し込めたものであり、「誰に向けての報告書か」という視点が欠落している。また、役所のガバナンスには企業のガバナンスとは異なった範囲の会計情報が必要である。さらに、企業の重役を評価する会計と自治体の首長や一国の総理を評価する会計では目的が違うだけに、複式簿記といっても本来、大きく異なるのが当然である。本書は、総務省方式やその延長線上にある都庁方式と異なり、住民が為政者の能力を評価し、フィードバックするための会計とはどのようなものであるべきか、という視点で会計を原点から組み立てた、まったく新しい公会計を提案する書籍だ。本書を読むことで、総務省の目指す方向性を疑う目が養え、しかも、住民が為政者を評価するための公会計という原点に立ち返ることができる。会計とは何か、から、あるいは会計やガバナンスの原点から公会計を追究した書籍であり、政府、自治体関係者、特に議員や首長にお勧めしたい。

公会計の存在は税金を納める人のためにあるとする、当たり前の事が簡潔に記載されているのでとても新鮮に感じた。その論理から物語みたいに展開していく公会計理論はとても読み易い。政策に興味があるが、会計を知らない人達の入門書として素晴らしい出来栄えである。

専門書は往々にして難解なものが多いのですが、この本は、そのようなことがありませんでした。とはいえ、筆者の哲学が込められており、改めて会計、税のあり方を考えさせられるきっかけとなりました。政策研究博士、公認会計士の立場から著された本は、この国では初めてなのではないでしょうか。次回作を心よりお待ちしております。

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